UVカットパーカーなのにきれい見え、通勤帰りもそのまま着たい薄手の黒羽織り

朝、7時12分。

カーテンを開けた瞬間の光がもう少し強くて、あ、今日ちゃんと紫外線あるな、って、肌じゃなくて気分のほうが先に察知するみたいな朝が、この時期は増えてきました。

洗面台の前で髪をとかしながら、日焼け止めを首まで塗るかどうか一瞬だけ迷って、でも今日は電車に乗るし、歩くのは駅までの10分くらいだし、とか都合のいいことを考えて、そのくせ帰りに「なんか顔くすんでない?」って鏡に言いがちな自分、ほんと学ばないなと思います。

部屋の中はまだ少しひんやりしているのに、ベランダの外はもう春の終わりみたいな匂いで、服を選ぶ手も止まりがちでした。

暑そうなのはいや、でも薄着すぎると落ち着かない、ラフすぎるのも今日は違う、でも頑張ってる感が出る服もしんどい。

こういう、誰にも伝わらないけど自分の中ではちゃんと面倒くさい朝って、あるんですよね。

最近ちょっと気になっていたのが、cocaのUVカットバッグギャザーパーカーでした。





UVカット機能つきのジップパーカーで、素材はポリエステル90%・ポリウレタン10%、薄手でさらっとした生地、白と黒の2色展開、サイズはS・M・L。後ろにギャザーが入っていて、日差し対策だけじゃなく冷房対策にも使いやすいらしい、という情報を見て、ああこういうの今の自分にいちばん効くやつかも、と思ってしまったんです。

効く、って書くとちょっと大げさなんですけど、服ってたぶん、気温より先に気持ちを整えにくるときがあるじゃないですか。

ちゃんとしたシャツを着る元気はないけど、部屋着みたいなまま外に出る勇気もない日とか。

婚活アプリのメッセージは返しているのに、会う約束だけ妙に後ろにずらしてしまう週とか。

そんなときに必要なのって、劇的に盛れる服というより、着た瞬間に「あ、今日はこのくらいでいいかも」と少しだけ肩の力を抜かせてくれるものなんだろうな、と思ったりします。

しかもパーカーって、便利な顔をしてるのに、ものによっては急に生活感が前に出すぎることがあって、そこがちょっと難しい。

近所のスーパーならいいけど、そのまま駅ビルに入るのはなんとなく気が引ける感じとか。

友達とのお茶なら平気だけど、婚活帰りの自分では着たくない感じとか。

この“同じパーカーなのに気持ちが乗る日と乗らない日がある問題”、地味なのにけっこう根深いですよね。

その点、バッグギャザーって後ろ姿に少しだけ気を遣ってる感じが出るから、正面はラクなのに、全体では投げやりに見えにくいのがいいなと思いました。

たぶん私は、前から見た可愛さより、去り際にちょっと救われたいタイプなんだと思います。

電車のドアに映った自分の背中とか、コンビニのガラスにぼんやり映る横姿とか、誰も見てないのに自分だけが見てしまう瞬間ってあるから。

そういうとき、あ、今日の私べつに雑じゃないかも、って思えたら、それだけで少し機嫌が戻る日もある。

しかも薄手でさらっとしている服って、暑さ対策だけじゃなくて、気まずさ対策にもなる気がするんです。

日差しの強い昼間に羽織れて、冷房が強いカフェでも腕を隠せて、食後にお腹まわりをなんとなくごまかせて、待ち合わせで相手より先に着いてしまったときも、スマホを見ながら袖を少し触って時間をつぶせる。

書いていてだいぶ細かいな、と自分でも思うんですけど、こういう“誰に向けたわけでもない防御”って、服にけっこう求めてしまいませんか。

本当は堂々としていたいのに、堂々としている日のほうが少ない、みたいな。

白は少し透け感があるらしくて、その繊細さもわかる気がしました。

真っ白って、清潔で可愛いのに、着る側の気持ちが整っていないと急に“がんばってる人”に見えそうで、たまに気後れするんですよね。

でも黒だと安心しすぎて、安心したままその日を終えそうになることもある。

白を選ぶ日に欲しいのは勢いじゃなくて、少しの余白かもしれないし、黒を選ぶ日に欲しいのは無難さじゃなくて、ちゃんと休ませてくれる感じかもしれない。

服の色ひとつでそんなこと考えるの、めんどくさい女だなと自分にツッコミを入れつつ、でも、そういう細かい揺れがあるから朝の支度って毎日同じにならないんでしょうね。

あと、ポケットがないのも、少しだけおもしろいなと思いました。

便利さだけでいえばあったほうがいいのに、ないことでシルエットがもたつかない感じもあるだろうし、何でも詰め込めないぶん、姿勢だけ少し整いそうで。

ポケットがあるとレシートを丸めて入れて、そのまま忘れて洗濯して、干すときに「あ…」ってなるタイプなので、これはこれで私には向いてるのかもしれません。

そういう小さい不便を、ちゃんと不便として受け止める日もあれば、今日はこれでいいやって流せる日もある。

たぶん服って、その日の性格まで少し映しますよね。

日差しを避けたいのか、冷房から守りたいのか、それとも、なんとなく自分を隠したいのか。

羽織りを探していると、たまにそこが自分でも曖昧になります。

ただ紫外線対策のためだけなら、もっと機能に振り切ったものでもいいはずなのに、ギャザーが入っているとか、白黒で迷えるとか、そういう曖昧な可愛さを捨てきれないのは、きっと服に実用だけを求めていないからなんでしょうね。

ちゃんとして見られたいわけじゃないのに、雑には見られたくない。

ラクしたいのに、手を抜いたとは思われたくない。

誰もそこまで見ていないとわかってるのに、自分だけは自分のことを細かく見てしまう。

そういう日のための一枚って、案外、売り場の説明文より、自分の生活のほうに答えが落ちていたりするのかもしれません。

朝の光が強い日、帰りの電車が少し寒い日、待ち合わせまで5分ある日。

そんな細い場面をいくつも通る服なら、少しくらい気持ちまで預けたくなるのも、変ではないのかもしれません。

今日は白にするか黒にするか、それだけで少し迷えるくらいの余裕があれば、それで十分な気もしています。