夜だけ未来を変えたくなる日に見つけた、小さく始める仕入れという選択とスーパーデリバリーの入り口
雨ではないのに、空気だけが少し湿っている夜だった。
洗い終わったマグカップを伏せたまま、私はキッチンに寄りかかっていた。
換気扇の音が思ったより大きくて、部屋が静かなことを逆に教えてくる。冷蔵庫の上には、昨日コンビニでもらったレシート。
テーブルの端には、読みかけの本と、開きっぱなしのメモ帳。そういう、片付いてはいないけど、べつに散らかっているとも言い切れない部屋の感じが、今日は妙に今の自分に似ていた。
最近、「このままでいいのかな」と思う回数が増えた。
大きな不満があるわけじゃない。
仕事も一応しているし、暮らしも破綻していない。ちゃんと食べて、ちゃんと眠れている日も多い。
なのに、夜だけ少し足りない。
未来に向かって進んでいる感じがしない日がある。別に大したことじゃないのに、その“少し”が地味に残る。
今日もそんな日だった。
帰りの電車で、向かいに座っていた女性が、小さな紙袋を膝に置いていた。
雑貨屋さんみたいな、やわらかい色の袋。
たぶん誰かへの贈りものか、自分への買い物か、そのどちらかなんだろうけど、私はそれを見ながら、ふいに「自分の好きなものを、自分の手で選んで並べる仕事っていいな」と思った。
なんでその発想になったのかは、正直よくわからない。ただ、誰かのセンスがちゃんと生活の形になっている感じが、少しまぶしかった。
家に着いてからも、その感覚が消えなくて、コートも脱ぎきらないままスマホを開いた。
SNSを見るつもりだったのに、気づいたら検索窓に「雑貨 仕入れ」「小さなお店 仕入れ」と入れていた。今日の私は少しだけ変だった。
疲れている夜ほど、なぜか現実的なことより、生活が少しだけ変わるかもしれない入口みたいなものを見たくなる。
■>>事業者専用の卸・仕入れサイト【スーパーデリバリー】
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まだ始めていないのに、先に棚のことを考えてしまう夜
そこで見つけたのが、事業者専用の卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」だった。
スーパーデリバリーは、アパレルや雑貨、インテリア、食品、什器など幅広い商品を扱う事業者向けの卸サイトで、メーカーや問屋から直接仕入れができる仕組みらしい。
公式サイトでは掲載商品数が約216万点、出展企業数が3,297社と案内されていて、しかもフリープランは月額0円、スタンダードプランは月額2,200円(税込)。
ヘルプページでは、最低注文数量なしで1点から注文できる案内も出ていて、「まだ大きく始めるつもりはないけど、ちょっと現実を見てみたい」みたいな人にとって、想像の入り口としてかなり具体的だなと思った。
もちろん、私は今すぐ店を開くわけじゃない。
そこは自分でもちゃんとわかっている。
わかっているのに、商品ページを見ていると、急に部屋の一角に小さな棚を置きたくなったり、ラッピングペーパーの質感まで気になったりする。
頭の中だけで、勝手に店の空気ができあがっていく。
白い棚に、くすんだ色のマグカップ。手に取りやすい価格のハンドクリーム。
季節で入れ替える小さな布もの。そんなことを考えている時間だけ、いまの仕事とか、年齢とか、周りと比べて進めていない感じとか、そういうものが少し遠くなる。
先に始める勇気じゃなくて、先に並べる妄想だけが育っていく
たぶん私は、何かを始めたいというより、始めた自分の景色を見たいんだと思う。
ここが少し情けない。努力とか挑戦とか、そういう立派な言葉の前に、私はいつも先に“雰囲気”を好きになってしまう。
おしゃれなノートを買って満足して、肝心の中身は一行しか書かない、みたいなことを何度もやってきた。始める前の人間って、たぶん道具とか世界観にめちゃくちゃ弱い。
でも、それって全部が悪いわけじゃないのかもしれない、と今日は少し思った。
だって、何にも惹かれないものは、たぶん始まらない。
先に棚を想像してしまうとか、包装紙の色に心が動くとか、そういう頼りない入口でも、ゼロよりはずっとましなのかもしれない。
スーパーデリバリーの案内を見ていると、利用しているのは小売店だけじゃなく、飲食店やサロン、ホテルなどの事業者も含まれるらしくて、「ちゃんとしたお店じゃないと無理」と思い込んでいた自分の視野の狭さに気づいた。
事業内容の確認はあるみたいだけれど、“いつかやりたい”が“少し調べてみよう”に変わるには十分だった。
ここで、ちょっとだけ胸の奥がざわついた。
誰にも言わなかった本音を言うと、私はたぶん、何かを始める人がうらやましい。
キラキラしているからじゃない。
怖いままでも手を伸ばしている感じが、うらやましい。私は慎重という言葉の中に、かなりの割合で先延ばしを混ぜて生きてきたから、「まだ準備が」「もう少し固まってから」と言っているうちに、気づけば季節だけ変わっていることが多い。
わかる、こういう日あるよね、と思う。
本気で人生を変えたいわけじゃない日ほど、なぜか小さなきっかけに心が引っぱられる。
たったひとつの商品ページを見ただけで、自分の未来まで少し触れた気になる夜がある。
たぶん欲しかったのは、商品じゃなくて「動けるかもしれない」という感覚
スマホを見ながら、私はメモ帳にひとつだけ書いた。
「もし、自分の好きなものを集めるなら何を置く?」
書いたあとで、少し笑ってしまった。
いきなり開業計画じゃなくて、そんなふわっとした問いしか出てこないあたりが、いかにも私だなと思う。でも、今日はそれでよかった。壮大な決意より、そういう半歩みたいな独り言のほうが、たぶん今の自分には合っている。
副業とか独立とか、そういう言葉って、最近どこか強すぎる。
ちゃんと稼げるのか、差別化はあるのか、継続できるのか。正しいことを考え始めた瞬間に、息が詰まる。
もちろん大事なんだけど、夜の台所でひとり、湯気の消えたスープを見ながら考えるには、少しだけ情報が硬い。
それより私は、好きなものをちゃんと好きと言えるかとか、誰かの手に渡る場面を想像して胸が動くかとか、そういう曖昧で弱い部分からしか始められない。
だから、今日スーパーデリバリーを見ていていちばん救われたのは、「仕入れの世界って、もっと大きなお店の人だけのものだと思っていた」という思い込みが、少しだけほどけたことだった。
本当に始めるかどうかはまだわからない。明日の私はたぶん普通に会社へ行って、昼休みにコンビニのおにぎりを食べて、帰ってきたら洗濯物を畳む。そのくらい現実は変わらない。
でも、変わらない現実の中で、「自分の好きなものを集めて誰かに渡す」という発想が、空想だけじゃなく、少しだけ地面に足をつけた感じがした。
なんでだろう。
何かを買いたいわけじゃなかったのに、見ているうちに、置いてみたい景色のほうが増えていった。
たぶん人って、商品そのものより、ときどき“その先の自分”を見にいくんだと思う。
今日はたまたま、深夜の台所で、その入口をのぞいただけだ。
でも、そういう夜があると、毎日をただ消費しているだけじゃない気が少しだけする。
たいした進歩じゃない。誰かに報告するほどでもない。けれど、コートを脱ぎきらないまま検索した数分が、今日の私には意外と大きかった。
始めるには遅いかな、とか。
そもそも私にそんなことできるのかな、とか。
そういう問いは、たぶんこれからも消えない。消えないまま、たまにこうして、まだ形になっていない未来の棚を想像するんだろうと思う。
あなたにもありませんか。
別に今すぐ何かになるつもりはないのに、なぜか気になって、ちょっとだけ調べてしまった夜。
あれはただの検索じゃなくて、言葉にならない小さな希望の癖みたいなものなのかもしれない。
■>>事業者専用の卸・仕入れサイト【スーパーデリバリー】
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